薬に関する使用と保管方法

薬
薬について

薬の保管方法

処方された薬の効力や安全性を保つためには、適切な保管方法が重要です。処方された薬の適切な保管方法について紹介します。

保管場所と状態

薬の保管場所は、直射日光や高温・多湿を避けるため、暗くて涼しい場所が適しています。例えば、クローゼットの棚や引き出し、または薬箱などが良い場所です。また、薬は元の包装に入れたまま保管し、外部と区別するために缶や密閉容器に入れると良いでしょう。特に錠剤や粉薬は、乾燥剤と一緒に密閉容器に入れて保管することで劣化を防ぎます。ただし、乾燥剤は薬と間違えないように注意が必要です。

保管温度

一部の薬は冷蔵保存が必要です。例えば、坐薬や液剤、水薬は冷蔵庫での保管が適しています。ただし、シロップ剤は光や凍結に注意しつつ、子供の手の届かない場所に保管する必要があります。一般的な薬の保存温度は15℃以下の冷所保管が推奨されます。暑い季節や湿度の高い場所では、薬の劣化を防ぐために冷所保管が重要です。多くの薬は室温で保存できますが、温度の変化が激しい場所や直射日光が当たる場所は避けてください。

保管期時の注意点

開封した薬は、包装に記載された期限が適用されません。密閉された状態で保存した場合、錠剤やカプセル剤は製薬日から1年間、湿気を帯びやすい散剤は3ヶ月以内を目安に使用できます。光によって分解しやすい薬は遮光容器で保管する必要があります。容器の色が不透明であるか、光が通らないような環境で保管しましょう。
また、薬は乳幼児や子どもの手の届かない場所に保管しましょう。子どもが興味を持ちやすいお菓子の缶やカラフルな容器には入れないように注意してください。
薬は本人以外が使用することは避け、古くなった薬は捨てるようにしてください。薬の使用は症状や医師の指示に基づいて適切に行う必要があります。これらの保管方法を守ることで、薬の品質や安全性を保ち、効果的な治療や予防に役立てることができます。
万が一薬の保管や使用について疑問がある場合は、医師や薬剤師に相談して正しい方法を確認しましょう。

お薬の飲み忘れを防ぐ方法

処方された薬を飲み忘れてしまったという人は多いと思います。おすすめの飲み忘れ対策を紹介します。

アプリを使ってルーティンにする

お薬の服用時間を忘れないようにするために、スマートフォンのアプリを活用しましょう。例えば、日本調剤の「お薬手帳プラス」は便利な機能が満載です。このアプリでは、お薬のアラーム機能を設定することができます。各お薬の服用時刻や通知方法を細かく設定することができるため、自分の服薬スケジュールに合わせて設定しましょう。
アプリが使えない携帯の場合は、携帯のアラーム機能を活用してくださいね。

薬を一つの袋にまとめて入れてもらう

複数のお薬を一度にまとめて受け取る「一包化」は、飲み忘れを防ぐ有効な方法の一つです。医師の指示のもと、処方された複数のお薬を朝・昼・夜などの飲むタイミングに合わせて一つの包みにまとめてもらうことができます。これにより、誤って薬を飲むリスクが低くなり、外出時にも便利です。

普段の行動の中に入れる

お薬の服用を日常の行動と関連付けることで、飲み忘れを防ぐことができます。例えば、食後に薬を飲む習慣がある場合は、食後に歯を磨く、テレビを見る、寝る前の準備などと同時に服用するようにしましょう。また、アラームをセットしておくことで、忘れることなく服薬することができます。

飲むタイミングの変更を相談する

薬の飲み方やタイミングが自分に合わない場合は、医師や薬剤師に相談してみましょう。例えば、朝の薬が飲み忘れやすい場合は、夜に変更するなどの調整が可能です。ただし、自己判断は危険ですので、必ず医師の指示に従いましょう。自分の状況やライフスタイルに合わせた服薬方法を見つけることが大事です。

カレンダーに印を付ける

毎回薬を飲んだ後、手帳やカレンダーの日付にマークを付ける習慣を作ると効果的です。これにより、一目でどの日に薬を飲んだかがわかり、飲み忘れを防ぐことができます。特に慢性的に薬を服用している場合は、日常の記録が大切です。

薬を目に付く場所に置く

薬を日常生活の中でよく目にする場所に置いておくと、飲み忘れを防ぐことができます。例えばキッチンのカウンターやリビングのテーブルなど、頻繁に通る場所に置くと良いでしょう。薬が目に入ることで、飲むことを思い出すきっかけになります。

まわりに協力してもらう

家族や介護者に定期的な服薬チェックをお願いすることも有効です。高齢者や認知症の方だけでなく、健常者の方でも飲み忘れをしてしまうことはあるでしょう。自己管理が難しい場合は、他者のサポートがおすすめです。定期的なチェックにより、飲み忘れや服薬のミスを早めに発見することができます。

これらの方法を組み合わせることで、お薬の飲み忘れを最小限に抑えることができます。個々の状況やライフスタイルに合わせて、最適な対策を選択してください。飲み忘れが続く場合や不明な点がある場合は、医療専門家に相談しましょう。

残った薬の対処法

薬局に引き取ってもらう

残薬が出てきた場合は、薬局に持参し、薬剤師と相談しましょう。薬剤師は処方薬の適切な処分方法や、次回の薬の量の調節についてアドバイスしてくれます。また、残薬の安全性についても確認できます。薬の種類に応じた処分方法を提案してもらえるので、自宅での処分が困難な場合も安心です。

捨てる方法

残薬を処分する際は、一般的には以下のような方法があります。

  • 内服薬(錠剤やカプセル)は、新聞紙や封筒に包んで可燃ゴミとして捨てる。
  • 外用薬(目薬や液剤)は、中身を吸収させた後、空にして捨てる。
  • スプレーや噴霧剤は、ガス抜きをして不燃ごみとして捨てる。

注射針などの特殊な薬剤は、処方してもらった病院や薬局に相談して適切な方法で処分します。

再利用してもらう

自己判断による薬の再利用は避けるべきです。薬剤師と相談して、再利用の可否を確認しましょう。薬剤師が残薬を調節することで、慢性疾患などの治療に再利用できる場合もあります。残薬の再利用については、必ず専門家の指導を受けましょう。

処分する際に注意すべきポイント

処方された薬は医師の指示に基づいて処方されるため、余った薬を薬局へもっていっても返金や返品することはできません。薬剤師や医師に相談して、次回の処方量を調整するようにしましょう。素人判断での薬の使用は健康リスクを招く可能性があるので避けてください。

また、自分と同じ症状の人に薬を提供することもNGです。個々の体質や症状に合わせて処方された薬は、他の人にとって適切な治療とは限りません。また、薬の売買は法律で禁止されています。

もし薬の使用期限が過ぎた場合は、薬剤師や医師に相談して適切に処分しましょう。使用期限が過ぎた薬は効果が低下する可能性があるだけでなく、安全性にも問題が生じる可能性があります。

以上のポイントに留意して、薬の残薬を適切に処分しましょう。処方された薬は個人の健康に直結する重要なものですので、安全かつ適切な方法での処分が必要です。

薬が残ってしまう理由

多めに処方されている

処方する薬の量を間違えたり、必要以上に受け取ったりすることがあります。例えば、医師からの指示を誤解して多くの薬を受け取ったり、薬局で誤って大量の薬を提供されたりすることがあります。
医療機関での処方ミスやコミュニケーション不足も原因です。複数の医師を受診している場合、それぞれから同じ種類の薬を処方されることがあり、結果的に余剰な薬が発生します。

通院中に薬の変更がある

患者の症状が変化したり、治療方針が変更されたりすると、以前の薬が余ってしまうことがあります。例えば、症状が改善し別の薬に変更されたり、副作用が現れて治療が中止されることがあります。

治ったと判断して薬を飲まない

自己判断で薬の服用を中止する場合、残った薬が生じます。症状の軽減や副作用への不安から服用を中止することがあります。

指定量より少なく服用している

薬の正しい使用方法や服用期間を理解していない場合、余剰な薬が生じることがあります。医師や薬剤師からの指示や情報が不十分であったり、患者が薬に関する正確な知識を持っていない場合に起こります。

医療制度や習慣

地域や医療機関によっては、処方の習慣や制度が異なるため、余剰な薬が発生することがあります。例えば、特定の薬が一般的に多く処方される地域や医療機関では、余剰な薬が増えやすい傾向があります。
これらの要因が重なって、患者が余剰な薬を持つことにつながります。患者自身が適切なコミュニケーションや薬の管理方法を理解し、医師や薬剤師との信頼関係を築くことで、薬の残りを最小限に抑えることが重要です。

薬を減らすには?

薬を減らすための具体的な方法についてまとめます。

適切な処方量を受け取るために薬剤師との相談や情報共有が必要です。節薬バッグを利用して余った薬を薬局に持ち込み、薬剤師と相談することで、適切な薬の使用量を調整することができます。

また、お薬手帳を活用して複数の医療機関での薬の処方履歴を共有し、適切な処方量を把握しやすくしましょう。かかりつけ薬剤師を選定して信頼関係を築き、的確なアドバイスや情報共有を行います。正しい服用方法を徹底し、医師や薬剤師の指示に従いましょう。

薬の適切な保管と処方量の適正化も重要で、これらの方法を実践することで薬の余りや残薬を減らすことができます。医師や薬剤師とのコミュニケーションを大切にし、適切な服薬管理を行いましょう。

日本では高齢者を含む患者の間で大量の残薬が生じており、これによって医療費が無駄になっています。残薬の削減は経済的負担を軽減し、医療リソースを効果的に活用することにもつながるでしょう。
残薬が健康リスクや安全上の問題を引き起こす可能性があるため、適切な医療提供を妨げる要因になっています。
残薬の廃棄は環境への負荷となっているため最小限に抑えるためにも減らす取り組みが重要です。これらの理由から、残薬削減は国や患者、医療従事者にとって利益をもたらす重要な取り組みなため、みなさんも意識して取り組んでいきましょう。

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